ドバイの賃貸市場は、ここ数年で大きく様変わりしました。急激な人口流入と住宅需要の増加により家賃は全体として上昇傾向にありますが、実はすべてのエリアが同じ動きをしているわけではありません。
「思ったより家賃が下がらない」「更新時に想定以上の値上げを提示された」「逆に、周囲では下がっているのに自分の物件だけ高いまま」——こうした声は、エリア特性を理解せずに契約してしまったケースで特によく聞かれます。
この記事では、ドバイの賃貸市場を構造的に分解しながら、家賃が下がりやすいエリア/下がりにくいエリアの違いを整理します。短期的な相場感ではなく、「なぜそうなるのか」「将来どうなりやすいのか」という視点で読み進めてください。
目次
ドバイの家賃はなぜ“エリアごと”に動きが違うのか
ドバイの賃貸市場は、日本のように「築年数+駅距離」だけで単純に評価される市場ではありません。むしろ、供給構造・入居者属性・用途によって、エリアごとに全く異なる値動きをします。
供給スピードがエリアごとに大きく違う
ドバイでは、新規開発が非常に速いスピードで進みます。ただし、そのスピードと量はエリアごとに偏りがあります。郊外・新興エリアでは短期間に大量供給が起きやすく、需要が一時的に落ちると家賃調整が起こりやすくなります。
一方、成熟した中心エリアでは新規供給が限定的なため、需要が維持される限り、家賃は下がりにくい構造になります。
入居者の“滞在目的”が異なる
観光・短期滞在が多いエリアと、長期居住・ファミリー層が中心のエリアでは、家賃の安定性が大きく異なります。短期需要が多いエリアは景気やイベントの影響を受けやすく、変動幅も大きくなります。
管理・建物品質の差が価格に直結する
同じ築年数でも、管理体制・設備更新・共用部の質によって評価が大きく分かれます。ドバイでは「古い=安い」ではなく、「管理されていない=下がる」という傾向がはっきりしています。
家賃が下がりやすいエリアの特徴
まずは、相場調整や下落が起きやすいエリアに共通する構造を整理します。これらのエリアが「悪い」という意味ではなく、価格変動リスクが高いという点が重要です。
新規供給が集中している新興・拡張エリア
開発が進むエリアでは、一時的に注目を集めて家賃が上昇しますが、同時に類似物件が一気に市場に出るため、需要が追いつかない局面では調整が起こります。
特に同じ間取り・同じ価格帯の物件が並ぶエリアでは、オーナー間の競争が激しくなり、家賃交渉が通りやすくなります。
単身・短期滞在向けに偏ったエリア
スタジオタイプや1ベッドルームが多いエリアは、若年層や短期滞在者に支えられています。この層は移動が早く、景気・雇用環境の影響を受けやすいため、需要が急に落ちると家賃が下がりやすい傾向があります。
管理品質にばらつきがある物件群
同じエリア内でも、管理会社の質によって評価が二極化します。管理が弱い建物は、築年数が浅くても敬遠され、結果的に家賃を下げざるを得なくなります。
家賃が下がりにくいエリアの特徴
次に、相場が上がっても下がりにくい、いわば耐久性のあるエリアの特徴を見ていきます。
長期居住・ファミリー需要が中心
学校・医療・生活インフラが整い、家族帯同の居住者が多いエリアでは、入居者の定着率が高くなります。結果として空室が出にくく、家賃も安定します。
供給が限定されている成熟エリア
すでに開発が進みきっているエリアでは、新規供給が少なく、需要過多になりやすい構造があります。こうしたエリアでは、相場が一段上がると、その水準が定着しやすいのが特徴です。
管理・ブランド価値が確立している
建物単体ではなく、「このエリア・この建物なら安心」という認識がある場所では、価格よりも安心感が優先されます。そのため、多少割高でも入居が決まりやすく、下落耐性が強くなります。
下がりやすい/下がりにくいエリアの比較整理
| 視点 | 下がりやすいエリア | 下がりにくいエリア |
|---|---|---|
| 供給状況 | 新規供給が集中 | 供給が限定的 |
| 入居者層 | 単身・短期中心 | ファミリー・長期中心 |
| 管理品質 | ばらつきが大きい | 安定・ブランド化 |
| 家賃交渉 | 通りやすい | 通りにくい |
| 相場変動 | 上下が激しい | 安定しやすい |
居住・移住者にとっての現実的な影響
この違いは、実際に住む側にとって大きな意味を持ちます。
築年数だけで判断すると失敗しやすい
新しい=安心、古い=不利、という見方はドバイでは通用しません。重要なのは管理履歴・更新状況・入居者の質です。築浅でも管理が弱い物件は、結果的に住みづらくなります。
交渉余地が生まれるエリアを見極める
下がりやすいエリアでは、更新時や新規契約時に条件交渉が成立しやすくなります。家賃だけでなく、支払い回数や家具追加など、総合条件で調整できる余地があります。
長期居住なら安定性を優先すべき
短期的に安く借りられても、更新時に大幅上昇するエリアもあります。長く住む前提なら、下がりにくいエリアの方が結果的に安心です。
投資・オーナー側に突きつけられる現実
この構造変化は、オーナー側にも明確なメッセージを送っています。
「持っているだけ」では通用しない
供給過多エリアでは、何もしない物件ほど競争力を失います。家賃を維持したいなら、管理・設備・運営の改善が必須です。
小さな改善が価格差を生む
空調更新、共用部の改善、家具の質向上など、比較的小さな投資でも評価は大きく変わります。価格競争ではなく質競争の市場に移行しています。
エリア選定がすべてを左右する
今後は「どの物件か」以上に「どのエリアか」が重要になります。下がりにくいエリアは、利回り以上に安定性という価値を持ちます。
まとめ
ドバイの家賃は一律に動くものではなく、エリアの構造によって大きく差が出ます。下がりやすいエリアには理由があり、下がりにくいエリアにも明確な背景があります。
重要なのは、「今安いか高いか」ではなく、なぜその価格なのか、今後どう動きやすいのかを理解した上で選ぶことです。居住・移住・投資いずれの立場でも、この視点を持つことで、後悔のない判断ができるはずです。
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