ドバイ移住にかかる生活費はいくら?家賃・食費・教育費のリアルを解説

ドバイは税制優遇や安定した治安から、移住先として注目を集めています。しかし実際に移住を検討する際、最も気になるのが現地での生活費ではないでしょうか。本記事では、家賃や食費、教育費といった具体的な支出項目をもとに、ドバイで暮らすために必要な費用の実態を詳しく解説します。単身者と家族それぞれのケースや、生活水準による費用の違い、さらに節約のポイントまで網羅的にお伝えしますので、移住計画の参考にお役立てください。

ドバイ移住後の生活費について

ドバイでの生活費は、家族構成や住むエリア、ライフスタイルによって大きく変動します。ここでは単身者と家族の2パターンに分けて、月額と年間でかかる費用の目安を具体的にご紹介します。

家族構成別の生活費

ドバイでの生活費を考える際、最も重要なのは家族構成です。単身者と子どものいる家族では、住居の広さや教育費の有無によって必要な金額が倍以上変わることもあります。

単身者の想定生活費

単身者がドバイで快適に暮らすためには、月額30万円から50万円程度が目安となります。家賃が最も大きな割合を占め、ワンルームや1LDKの物件では月14万円から20万円が相場です。食費は自炊中心で月5万円、外食が多い場合は月8万円から10万円を見込んでおくと良いでしょう。

光熱費やインターネット料金を合わせて月2万円から3万円、交通費は公共交通機関利用で月1万円程度、車を所有する場合はガソリン代や駐車場代で月3万円から5万円が追加されます。娯楽費や交際費は個人差がありますが、月5万円から10万円を見込むと余裕のある生活が可能です。

これらを合計すると、年間では360万円から600万円程度の生活費が必要となります。日本の都市部と比較すると、家賃の高さが際立っています。

家族(子どもあり)の想定生活費

子どものいる家族がドバイで生活する場合、月額80万円から150万円程度が標準的な範囲となります。4人家族を想定すると、3ベッドルームの物件で家賃が月30万円から60万円、立地やグレードによってはさらに高額になります。

食費は家族の人数に応じて月15万円から25万円が目安です。外食頻度が高い家庭では月30万円を超えることも珍しくありません。子どもの教育費は最も大きな負担で、インターナショナルスクールの学費は年間120万円から200万円、兄弟がいる場合はその分増加します。

光熱費は家族4人で月3万円から6万円、インターネット料金は月1.6万円から3.2万円が相場です。交通費は車を所有するケースが多く、月5万円から8万円、医療保険は家族全員で月5万円から10万円が必要となります。娯楽費や習い事の費用を含めると、月10万円から20万円が追加されます。

年間では960万円から1,800万円程度の生活費が必要となり、教育費が家計に占める割合が非常に大きいことが分かります。

項目 単身者(月額) 家族4人(月額)
家賃 14万円~20万円 30万円~60万円
食費 5万円~10万円 15万円~25万円
光熱通信費 2万円~3万円 4.6万円~9.2万円
交通費 1万円~5万円 5万円~8万円
教育費 10万円~35万円
医療保険 1万円~2万円 5万円~10万円
娯楽・交際費 5万円~10万円 10万円~20万円
合計 30万円~50万円 80万円~150万円

日本と比較した場合の生活費は?

ドバイと日本の生活費を比較すると、家賃と教育費がドバイで特に高額になる傾向があります。東京都心の3LDK家賃が月20万円から30万円であるのに対し、ドバイでは同等の物件で月30万円から60万円が相場です。

一方で、所得税がゼロであることは大きなメリットです。日本では所得に応じて5%から45%の所得税と住民税約10%が課税されますが、ドバイでは給与の全額を手取りとして受け取れます。年収1,000万円の場合、日本では税金で約200万円が引かれますが、ドバイではこの分が可処分所得として残ります。

食費については、輸入品が多いドバイでは日本食材や高級食材が割高ですが、現地の食材やレストランを利用すれば日本とほぼ同等の水準で抑えられます。ガソリン代はドバイが圧倒的に安く、リッター約70円と日本の半額以下です。

総合的に見ると、税制メリットを活かせる高所得者層にとってはドバイが有利ですが、中所得層では家賃と教育費の負担が大きくなります。

生活水準別に必要な費用

ドバイでの生活水準は、住むエリアや選択する住居・学校のグレードによって大きく異なります。生活水準を3段階に分けて、それぞれに必要な費用を見ていきましょう。

エコノミー層では、ドバイ中心部から離れたエリアに住み、公共交通機関を利用し、ローカル系の学校やインターナショナルスクールの中でも比較的安価な学校を選択します。単身者で月25万円から35万円、家族4人で月60万円から90万円が目安となります。

スタンダード層は、ドバイ中心部に近いエリアで、車を所有し、中堅クラスのインターナショナルスクールに通わせるレベルです。単身者で月35万円から50万円、家族4人で月90万円から130万円が必要となります。

ラグジュアリー層は、ダウンタウンやマリーナなどの高級エリアに住み、高級車を所有し、トップクラスのインターナショナルスクールに通わせる生活です。単身者で月60万円以上、家族4人では月150万円から250万円が目安となります。

  • エコノミー層:必要最低限の快適さを確保しながら節約志向の生活
  • スタンダード層:一般的な駐在員や現地就労者の標準的な生活水準
  • ラグジュアリー層:高級住宅街に住み余暇も充実した上質な生活

ドバイで注意すべき主要な生活費について

生活費の総額だけでなく、各項目がどのような割合を占めるのかを理解することで、効果的な家計管理が可能になります。ここでは主要な支出項目ごとに詳しく見ていきます。

家計においては住居費の割合が大きい

ドバイでは住居費が家計に占める割合が非常に大きく、単身者で総支出の40%から50%、家族では35%から45%を占めることが一般的です。東京都心でも家賃が家計の3割程度であることを考えると、ドバイの住居費負担の大きさが分かります。

家賃は立地によって大きく変動し、ダウンタウンやマリーナなどの人気エリアでは同じ間取りでも郊外の1.5倍から2倍の価格になります。また、ドバイでは年間契約が基本で、契約時に1年分の小切手を4回から12回に分けて渡す慣習があります。

賃貸物件の多くは家具付きですが、家具なしの物件を選ぶと家賃が10%から15%安くなることもあります。初期費用を抑えたい場合は家具付き、長期滞在で自分好みの空間を作りたい場合は家具なしが適しています。

住居費を抑える最も効果的な方法は、中心部から少し離れたエリアを選ぶことです。メトロ沿線であれば通勤も便利で、家賃を20%から30%削減できます。

食費と外食の比率

ドバイの食費は、自炊と外食のバランスによって大きく変わります。完全自炊の場合、単身者で月5万円から7万円、家族4人で月15万円から20万円が目安です。しかし外食中心になると、単身者で月10万円以上、家族では月30万円を超えることも珍しくありません。

スーパーマーケットでの食材価格は、ローカル食材や中東産の野菜・果物は日本とほぼ同等かやや安い水準です。一方、日本食材や欧米からの輸入品は日本の1.5倍から2倍の価格となります。カルフールやルルハイパーマーケットなどの大型スーパーでは比較的手頃な価格で購入できます。

外食は幅広い価格帯があり、ローカルレストランやフードコートでは1食500円から1,000円程度、中級レストランで1,500円から3,000円、高級レストランでは5,000円以上が相場です。ドバイには世界各国の料理が楽しめるレストランが豊富にありますが、週末のブランチや高級レストランでの食事は日本より高額になる傾向があります。

食費を節約するポイントは、平日は自炊中心にして週末のみ外食を楽しむ、大型スーパーのセールを活用する、ローカル食材を積極的に使うことです。

食材・外食 価格目安 日本との比較
鶏肉(1kg) 700円~1,000円 ほぼ同等
野菜(トマト1kg) 200円~400円 ほぼ同等
牛乳(1L) 200円~300円 ほぼ同等
日本米(5kg) 3,000円~4,000円 1.5倍~2倍
日本食材(醤油など) 600円~1,000円 1.5倍~2倍
ローカルレストラン 500円~1,000円 やや安い
中級レストラン 1,500円~3,000円 ほぼ同等~やや高い
高級レストラン 5,000円~ やや高い~高い

光熱費などの固定でかかる費用

固定費は毎月確実に発生する支出であり、事前に把握しておくことが家計管理の基本となります。ドバイの光熱費は、特に夏場のエアコン使用量によって大きく変動します。

電気・水道代は、単身者で月1万円から2万円、家族4人で月3万円から6万円が標準的です。夏季(6月から9月)は気温が40度を超えるため、エアコンをフル稼働させる必要があり、冬季の2倍から3倍の電気代がかかることもあります。多くの物件では管理費にゴミ処理費用が含まれています。

インターネット料金は、通信会社Etisilat(エティサラート)やdu(デュ)が主要プロバイダーで、月額400ディルハムから800ディルハム(約1.6万円から3.2万円)が相場です。通信速度や契約内容によって価格が異なり、高速プランを選ぶと月3万円を超えることもあります。

交通費については、公共交通機関を利用する場合は月1万円程度で済みますが、車を所有する場合はガソリン代、保険料、駐車場代、メンテナンス費用を合わせて月5万円から8万円が必要です。ドバイではガソリン価格が安く、リッター約70円ですが、駐車場代や車の保険料が高額になる傾向があります。

携帯電話料金は月額3,000円から8,000円が一般的で、データ通信量に応じてプランを選択できます。固定費を見直す際は通信プランの最適化と夏季の電気使用量削減が効果的です。

ドバイ移住後の住居について

住居費はドバイでの生活費の中で最も大きな割合を占める項目です。適切な物件選びと契約条件の理解が、移住成功の鍵となります。

エリア別の家賃相場

ドバイの家賃は、エリアによって大きく異なります。最も高額なのはダウンタウン・ドバイとドバイマリーナで、1LDKで月20万円から30万円、2LDKで月30万円から50万円、3LDKで月50万円から80万円が相場です。これらのエリアはブルジュ・ハリファやドバイモールに近く、利便性と眺望が魅力です。

ジュメイラ・ビーチ・レジデンス(JBR)やパーム・ジュメイラは、ビーチに近い高級住宅エリアで、1LDKで月18万円から28万円、2LDKで月28万円から45万円、3LDKで月45万円から70万円となります。リゾート感覚で暮らしたい方に人気があります。

ビジネスベイやドバイ・スポーツ・シティは中価格帯のエリアで、1LDKで月14万円から20万円、2LDKで月20万円から35万円、3LDKで月35万円から55万円が目安です。ダウンタウンへのアクセスも良く、コストパフォーマンスに優れています。

郊外のディスカバリー・ガーデンズやインターナショナル・シティは、最も手頃なエリアで、1LDKで月10万円から15万円、2LDKで月15万円から25万円、3LDKで月25万円から40万円で借りられます。予算を抑えたい方や車通勤が可能な方に適しています。

家賃相場は時期によっても変動し、夏季(6月から9月)は需要が減るため、家賃交渉がしやすく10%から15%の値引きが期待できることもあります。

エリア 1LDK 2LDK 3LDK
ダウンタウン・マリーナ 20万円~30万円 30万円~50万円 50万円~80万円
JBR・パーム 18万円~28万円 28万円~45万円 45万円~70万円
ビジネスベイ 14万円~20万円 20万円~35万円 35万円~55万円
郊外エリア 10万円~15万円 15万円~25万円 25万円~40万円

デポジットや仲介料を含む初期費用の内訳

ドバイで賃貸物件を契約する際には、家賃以外にも複数の初期費用が発生します。最も大きいのがセキュリティ・デポジット(敷金)で、通常は家賃の1か月分から2か月分が必要です。退去時に問題がなければ全額返金されますが、物件の損傷があった場合は修繕費用が差し引かれます。

仲介手数料は家賃の5%が標準的で、例えば月額家賃30万円の物件なら1.5万円が仲介業者に支払われます。一部の物件では大家が仲介手数料を負担するケースもあるため、契約前に確認することが重要です。

Dubai Land Department(ドバイ土地局)への登録費用として、物件によっては家賃の約0.25%が必要になります。また、エージェンシー登録費用として500ディルハムから1,000ディルハム(約2万円から4万円)が加算されることもあります。

光熱費のデポジットは、DEWA(ドバイ電力水道局)に対して1,000ディルハムから2,000ディルハム(約4万円から8万円)を預ける必要があります。これは退去時に返金されますが、未払い料金がある場合は相殺されます。

多くの物件では年間契約が基本で、1年分の家賃を小切手で4回から12回に分けて支払います。そのため、契約時には最初の支払い分として家賃の3か月分から6か月分が必要になります。これらを合計すると、初期費用として家賃の5か月分から8か月分を用意しておくと安心です。

  • セキュリティ・デポジット:家賃1~2か月分
  • 仲介手数料:家賃の5%
  • 土地局登録費用:家賃の約0.25%
  • 光熱費デポジット:約4万円~8万円
  • 初回家賃支払い:3~6か月分

住まい探しの効率的な方法

ドバイでの住まい探しは、オンラインプラットフォームと不動産エージェントの活用が基本となります。主要な物件検索サイトには、Property Finder、Bayut、Dubizzleがあり、エリア・価格・間取りで絞り込んで検索できます。これらのサイトでは写真や動画、周辺環境の情報も充実しているため、日本にいながら物件の下見が可能です。

不動産エージェントを利用する場合は、複数の業者に相談して比較することが重要です。信頼できるエージェントは、予算や希望条件に合った物件を紹介してくれるだけでなく、契約手続きや交渉もサポートしてくれます。口コミや評価を確認し、RERA認定のエージェントを選ぶと安心です。

実際に物件を見学する際は、周辺環境もチェックしましょう。最寄りのメトロ駅やバス停までの距離、スーパーマーケット、学校、病院などの生活施設の充実度を確認します。特に子どもがいる家庭では、学校への通学ルートや所要時間を実際に確認することが大切です。

物件の内見では、水回りの状態、エアコンの動作、窓の開閉、収納スペースなどを細かくチェックします。共用施設(プール、ジム、駐車場など)の利用条件や管理状況も確認しましょう。建物の管理会社やセキュリティ体制についても質問すると良いでしょう。

契約のタイミングも重要です。前述の通り夏季は需要が減るため家賃交渉がしやすくなります。また、ドバイでは新築物件が多く供給されるため、完成直後の物件は値引きやプロモーションが行われることもあります。

  • 主要物件検索サイト:Property Finder・Bayut・Dubizzle
  • 複数のエージェントに相談して比較検討
  • 周辺環境と生活施設の充実度を確認
  • 内見時は設備状態を詳細にチェック
  • 夏季や新築完成時は交渉のチャンス

ドバイの教育費や医療費は高い?

子どものいる家庭にとって、教育費と医療費は生活費の中でも特に重要な項目です。ドバイではこれらの費用が高額になる傾向があるため、事前の計画が欠かせません。

学校種類別の教育費

ドバイには公立学校とインターナショナルスクールがありますが、外国人の子どもは基本的にインターナショナルスクールに通うことになります。学費は学校のカリキュラムやグレードによって大きく異なり、年間120万円から400万円以上の幅があります。

英国式カリキュラムの学校は最も人気があり、中堅校で年間120万円から200万円、トップ校では年間250万円から350万円が相場です。GEMS EducationやTaaleem系列の学校が多数あり、選択肢は豊富です。

アメリカ式カリキュラムの学校は、年間150万円から300万円が一般的です。American School of DubaiやDubai American Academyなどが有名で、APコースやIBプログラムを提供する学校では年間300万円を超えることもあります。

国際バカロレア(IB)プログラムを提供する学校は、年間180万円から350万円が目安です。GEMS World Academyなどの高評価校では、ウェイティングリストがあるほど人気があります。

授業料以外にも、登録料(5万円から15万円)、制服代(2万円から5万円)、教材費(年間5万円から10万円)、スクールバス代(年間15万円から30万円)、課外活動費(年間10万円から30万円)などが必要です。兄弟割引を提供する学校も多く、2人目以降は10%から20%の割引が適用されることがあります。

教育費は家計の大きな負担となるため学校選びは慎重に行い、学校見学や体験入学を通じて子どもに合った環境を選ぶことが重要です。

カリキュラム 年間授業料 特徴
英国式(中堅校) 120万円~200万円 最も学校数が多く選択肢豊富
英国式(トップ校) 250万円~350万円 高評価・人気校はウェイティングあり
アメリカ式 150万円~300万円 APコースやIB併設校も
IB専門 180万円~350万円 国際的な大学進学に有利
その他(仏・独など) 120万円~250万円 母語教育を重視

医療費の例と保険でカバーできる範囲

ドバイの医療費は非常に高額で、保険なしでの受診は大きな経済的負担となります。一般的な診療でも、医師の診察料が1回5,000円から1万円、専門医では1万円から2万円が相場です。救急外来の利用は最低2万円から3万円かかります。

健康保険は、UAE労働法により雇用主が従業員とその家族に提供することが義務付けられています。保険のカバー範囲は契約内容によって異なりますが、基本的な医療行為、入院、手術、薬剤費などが含まれることが一般的です。

保険プランにはネットワーク病院の制限があり、指定病院以外で受診すると自己負担が発生する場合があります。また、歯科治療、眼科検査、美容治療、既往症の治療などは、基本プランではカバーされないことが多いため、追加オプションの検討が必要です。

  • 一般診療:5,000円~1万円
  • 専門医診察:1万円~2万円
  • 救急外来:2万円~3万円
  • 入院(1日):10万円~30万円
  • 盲腸手術:50万円~100万円
  • 正常分娩:80万円~150万円
  • 歯科治療(虫歯1本):2万円~5万円

保険加入の種類と毎月の負担額

ドバイでの健康保険は、大きく分けて雇用主提供保険と個人加入保険の2種類があります。駐在員や現地企業で働く場合は、雇用主が保険を提供するのが一般的で、従業員本人だけでなく配偶者や子どもも含まれることが多いです。

雇用主提供保険の場合、従業員の自己負担はゼロまたは一部負担となり、月額1万円から3万円程度の保険料が給与から控除されることがあります。保険の内容は企業や役職によって異なり、上級管理職にはプレミアムプランが提供されることもあります。

個人事業主やフリーランスで移住する場合は、個人で健康保険に加入する必要があります。個人加入保険の費用は、年齢、健康状態、カバー範囲によって大きく変動し、単身者で月2万円から5万円、家族4人で月8万円から15万円が目安です。

保険プランには複数のグレードがあり、ベーシックプランは最低限のカバーで保険料が安く、スタンダードプランは一般的な医療行為を広くカバーし、プレミアムプランはすべての治療と高級病院へのアクセスが可能です。自分の健康状態や家族構成、予算に応じて適切なプランを選択することが重要です。

保険会社の選択では、ネットワーク病院の範囲、クレーム処理のスピード、カスタマーサービスの質を確認しましょう。主要な保険会社には、AXA、Cigna、Metlife、Neuronなどがあり、それぞれ特徴が異なります。

保険加入時には、既往症の取り扱い、待機期間(加入後すぐには利用できない期間)、年間上限額、自己負担額(Co-payment)などの条件を詳しく確認することが大切です。

保険タイプ 月額保険料 カバー範囲
ベーシック(単身) 2万円~3万円 基本的な外来・入院
スタンダード(単身) 3万円~5万円 広範囲の医療行為・指定病院
プレミアム(単身) 5万円~8万円 すべての治療・高級病院可
ベーシック(家族4人) 8万円~10万円 基本的な外来・入院
スタンダード(家族4人) 10万円~15万円 広範囲の医療行為・指定病院

子育て世帯において追加で必要となる費用

子育て世帯では、教育費と医療費以外にも様々な追加費用が発生します。まず、ベビーシッターやメイドサービスは多くの家庭で利用されており、フルタイムのメイドを雇用する場合は月5万円から10万円、パートタイムや時間単位では1時間1,500円から3,000円が相場です。

チャイルドケアや保育園の費用は、月額5万円から15万円が一般的です。英語環境の保育園や教育プログラムが充実した施設では、月15万円以上かかることもあります。多くの保育園では食事やおやつが提供され、送迎サービスもオプションで利用できます。

子どもの習い事や課外活動も費用がかさみます。水泳教室は月1万円から2万円、音楽レッスンは月1.5万円から3万円、サッカーやテニスなどのスポーツクラブは月1.5万円から3万円が目安です。複数の習い事をする場合は、月5万円から10万円の予算が必要です。

子ども用品や衣服は、日本と同程度か少し高めの価格帯です。ベビー用品専門店やショッピングモールで購入できますが、成長が早い子どもの衣服は、セールやアウトレットを活用することで費用を抑えられます。

誕生日パーティーやイベントの費用も考慮が必要です。ドバイでは子どもの誕生日パーティーを大規模に行う文化があり、エンターテイナーを呼んだり、テーマパークで開催したりすることが一般的です。1回のパーティーで5万円から15万円かかることもあります。

子育て世帯では、これらの追加費用を合わせると、月15万円から30万円の追加支出が発生することを想定しておく必要があります。

  • メイド・ベビーシッター:月5万円~10万円
  • 保育園・チャイルドケア:月5万円~15万円
  • 習い事(1つあたり):月1万円~3万円
  • 子ども用品・衣服:月2万円~5万円
  • 誕生日パーティー等:1回5万円~15万円

ドバイ移住に必要な初期費用と手続き

ドバイへの移住を実現するには、生活費以外にも初期費用と各種手続きが必要です。計画的な準備が移住成功の鍵となります。

ビザ費用と申請にかかる実費

ドバイでの長期滞在には居住ビザが必須です。ビザの種類は雇用ビザ、投資家ビザ、フリーランスビザ、家族ビザなどがあり、それぞれ取得条件と費用が異なります。

雇用ビザは現地企業や外資系企業に雇用される場合に取得します。ビザ申請費用は約5万円から8万円で、通常は雇用主が負担します。労働許可証の取得に約3万円から5万円、エミレーツIDの発行に約1.5万円が必要です。健康診断や血液検査も義務付けられており、約1万円から2万円がかかります。

投資家ビザは、ドバイで不動産を購入するか、法人を設立することで取得できます。不動産投資の場合、75万ディルハム(約3,000万円)以上の物件購入で2年間のビザ、200万ディルハム(約8,000万円)以上で5年間のビザが発行されます。ビザ申請費用は約10万円から15万円です。

フリーランスビザは、自営業者やフリーランサー向けで、年間費用は約40万円から50万円です。これには事業ライセンス費用、ビザ申請費用、健康保険加入費用などが含まれます。収入証明や銀行残高証明の提出が求められることもあります。

家族ビザは、雇用ビザ保持者がその家族をドバイに呼び寄せる際に必要です。配偶者のビザ申請に約5万円から8万円、子ども1人につき約5万円から7万円が必要です。申請者の月収が最低10,000ディルハム(約40万円)以上であることが条件となります。

ビザ申請には、パスポートのコピー、写真、学歴証明書、健康診断結果、無犯罪証明書などの書類が必要です。書類の翻訳や認証にも費用がかかり、総額で1人あたり10万円から20万円の初期費用を見込んでおくと安心です。

  • 雇用ビザ:5万円~8万円(労働許可・ID含む15万円~20万円)
  • 投資家ビザ:10万円~15万円(不動産購入は別途)
  • フリーランスビザ:年間40万円~50万円
  • 家族ビザ:配偶者5万円~8万円、子ども1人5万円~7万円
  • 健康診断・血液検査:1万円~2万円
  • 書類翻訳・認証:2万円~5万円

ドバイで生活始めるための手続きと費用

ドバイ到着後は、生活を立ち上げるために複数の手続きと支出が必要です。優先順位をつけて計画的に進めることが重要です。

最優先事項は住居の確保です。前述の通り、家賃の初回支払い、デポジット、仲介手数料などで家賃の5か月分から8か月分が必要となります。仮住まいとしてホテルやサービスアパートメントを利用する場合は、1日1万円から3万円、月額30万円から90万円の追加費用がかかります。

銀行口座の開設は早期に行うべきです。居住ビザとエミレーツIDが必要で、多くの銀行では初回デポジットとして5,000ディルハムから10,000ディルハム(約2万円から4万円)を要求します。オンラインバンキングやデビットカードの発行も含まれます。

携帯電話の契約は、月額3,000円から8,000円で、初回登録料として約3,000円が必要です。プリペイドSIMカードは空港やスーパーマーケットで購入でき、手軽に利用開始できます。

家具や家電の購入は、家具なし物件の場合に必要です。基本的な家具セットで30万円から80万円、家電製品で20万円から50万円が目安となります。IKEAやホームセンターで購入するか、中古品を活用することで費用を抑えられます。

車の購入またはリースを検討する場合、中古車で80万円から200万円、新車で200万円から500万円以上が相場です。リースの場合は月額3万円から10万円で、保険料や登録費用が別途必要です。国際運転免許証を取得しておくと、到着後すぐに運転が可能です。

生活用品や日用品の購入に月3万円から5万円、食材の初回購入に2万円から4万円を見込んでおきましょう。カルフールやルルハイパーマーケットで一通りのものが揃います。

子どもの学校登録では、登録料として5万円から15万円、制服や教材費で3万円から7万円が初期費用として必要です。学校によってはデポジットとして授業料の一部を前払いする場合もあります。

項目 費用目安 優先度
住居初期費用 家賃5~8か月分 最優先
仮住まい(1か月) 30万円~90万円
銀行口座開設 2万円~4万円
携帯電話契約 初回約3,000円
家具・家電購入 50万円~130万円
車購入・リース 80万円~500万円
生活用品・食材 5万円~10万円
学校登録費用 8万円~22万円 高(子どもがいる場合)

生活立ち上げの総初期費用として、単身者で150万円から300万円、家族4人で300万円から600万円を用意しておくと、余裕を持った移住が可能です。予期せぬ出費に備えて予算の20%程度の余裕を持たせることをお勧めします。

まとめ

ドバイ移住にかかる生活費について、家賃、食費、教育費、医療費など主要な項目を詳しく解説してきました。単身者で月額30万円から50万円、家族4人で月額80万円から150万円が標準的な生活費の目安となります。

  • 住居費が生活費の最大40~50%を占め、エリア選びで大幅な節約が可能
  • 教育費は年間120万円~400万円と幅が広く、学校選びが家計に大きく影響
  • 医療費は高額だが保険でカバー可能、保険選びは慎重に
  • 初期費用として単身150万円~300万円、家族300万円~600万円が必要
  • 節約のポイントとして住居費の削減や食費管理も有効
  • ビザ取得と生活立ち上げには計画的な準備が不可欠

ドバイでの生活は、適切な計画と予算管理によって充実したものになります。まずは本記事で紹介した費用目安をもとに、ご自身の家族構成や希望する生活水準に合わせた詳細な予算計画を立ててみてください。移住エージェントや現地の日本人コミュニティとも連絡を取り、最新の情報を収集することで、より安心して移住準備を進められるでしょう。

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