ドバイで「職場に近い家」を選ぶ人が急増中|渋滞と通勤時間が住まい選びの常識を変える

UAEではここ数年、通勤距離と住まいの関係が大きく変化しています。特にドバイや北部のエミレーツをまたいで通勤する人にとって、交通渋滞は深刻な日常課題となっており、その結果として「職場に近い住まい」を選ぶ人が増えているのです。

このトレンドは単なる流行ではなく、**働き方や生活スタイルの変化、交通状況の悪化が重なった結果**として顕在化しています。

交通渋滞はどこまで深刻か?

引用:https://www.khaleejtimes.com

最新データによると、ドバイの平均的な通勤距離である10キロの運転にかかる時間が、2025年には約19.1分にまで延びています。これは2024年の13.7分と比較して約40%増です。

また、交通状況の悪化は「失われる時間」という視点からも大きなインパクトを持っており、

  • ドバイ内の通勤者は年間で約45時間
  • ドバイと北部エミレーツ間を往復する人は年間約460時間(約60営業日に相当)

という時間を道路上で過ごしているという試算もあります。

時間が貴重な「資産」であると考える傾向が強いUAEでは、この交通負担が大きな生活設計の阻害要因になっているのです。

住まい選びの価値観が変わった

こうした背景を受けて、住居の選択基準も変化しています。以前は「賃料の安さ」や「物件の広さ」が優先されることが多かったのに対し、近年は

  • 職場への近さ
  • 通勤時間の短縮
  • ライフワークバランスの向上

といった要素が生活者の判断を左右するようになってきました。

不動産関係者によると、多くの人が少し高い賃料や購入価格を払ってでも、通勤時間の短縮を実現できる物件を優先するようになっているといいます。

通勤距離と家賃・価格のトレードオフ

実際の購入者や賃貸者の行動を見ると、通勤時間の短縮を求めるために、以下のような選択が増えています:

  • 郊外の大きな住まいより、職場近くのコンパクトな住まいを選ぶ
  • 賃料が高くても、通勤時間が短いエリアを優先する
  • 主要道路や交通ハブに近い住宅を検討する

この変化は、生活の質を高める方向への価値観の変化を表しており、単純な「コスト節約」よりも「時間の価値」を重視する考え方が浸透していることを示しています。

人気が高まっている居住エリアの特徴

不動産業界の関係者は、今の住まい選びで特に支持されているコミュニティの条件として次の点を挙げています:

  • 職場へのアクセスが良いこと
  • 学校、買い物、ジム、公園など生活施設が揃っていること
  • 徒歩や短距離移動で日常生活が完結すること

このような条件を満たす「ミックスユース(複合利用)」型の開発は、純粋な住宅エリアよりも高い人気を集めています。学校近くの物件は特にファミリー層から高い支持を受けています。

これからの住宅市場への影響

こうした通勤の影響で住まい選びが変わる動きは、UAEの不動産市場全体にも広く影響を及ぼしています。

まず、今後の都市開発計画やインフラ戦略の方向性にも影響が出ています。たとえば、都市外縁部から都市中心部へと人々が移動する傾向が強まると、

  • 短距離の交通インフラ強化
  • ミックスユース開発の促進
  • 通勤時間短縮を見据えたコミュニティ設計

といった新しい都市計画の方向性が重視されるようになります。

実際、未来の公共交通網として注目されるEtihad Railのような新交通プロジェクトは、長距離通勤を快適で予測可能なものにするための重要な役割が期待されています。

通勤優先の住まい選びが進むワケ

UAEで通勤距離と住まいの関係が変わってきた背景には、単に渋滞が増えたからというだけでなく、

  • 働き方が多様化し、家で過ごす時間の価値が見直されている
  • 交通インフラの整備と遅れが需給のアンバランスを生んでいる
  • 暮らしと仕事の一体化を求める価値観が広がっている

といった構造的な変化が影響しています。

まとめ:時間を最優先する住まい選びへ

UAEの住まい選びは、これまでの“価格・広さ・利便性”といった基準から、通勤時間という生活の実時間を重視する方向へと変化しています。

家を選ぶ際、通勤時間の短縮は単にストレスの軽減にとどまらず、生活の質・家族との時間・ウェルビーイング( wellbeing )にも直結する大きな要素になってきました。ドライバーだけでなく、フレックス勤務のある人も含めて、時間の価値を再評価する動きが進んでいます。

こうした変化は不動産市場の構造にも影響を与えており、短距離通勤を可能にするエリアや開発が今後も注目され続けるでしょう。

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