ドバイは相続税ゼロとして知られ、富裕層の移住先として注目を集めています。実際にUAE全体で相続税・贈与税・所得税が課されないため、資産の承継や保全に大きなメリットがあるんです。ただし日本に住んでいる方や日本国籍を持つ方がドバイに資産を持っていても、日本の税制が適用されるケースがあるため注意が必要です。この記事では、ドバイの相続税制度の実態と、移住前に必ず確認すべき日本の税制との関係、そして具体的なリスク回避策まで、専門家の視点から丁寧に解説していきます。
目次
ドバイでの相続税は原則かからない
ドバイを含むUAE(アラブ首長国連邦)では、相続税が一切課されません。これは個人の資産や不動産の承継に対して、国として課税しない方針が徹底されているからなんです。
贈与税やキャピタルゲイン税も同様にゼロのため、資産の移転や運用において非常に有利な環境が整っています。正直、日本の最高税率55%と比較すると、その差は歴然ですよ。
UAE全体で課税されない税金の種類
UAEでは連邦レベルでも首長国レベルでも、相続税を課す法律が存在しません。ドバイだけでなく、アブダビやシャルジャなど他の首長国でも同じ扱いになります。
この税制は1971年のUAE建国以来一貫しており、外国人投資家や富裕層を惹きつける大きな魅力になっているんです。所得税、固定資産税、住民税もゼロという極めて低い税負担環境が、国際的なビジネスハブとしての地位を確立する要因となっています。
「本当に相続税がないんですか?」と何度か確認されることがありますが、UAE政府の公式見解でも明確に非課税と示されているので安心してくださいね。
| 税目 | UAE(ドバイ) | 日本 |
|---|---|---|
| 相続税 | 0% | 10~55% |
| 贈与税 | 0% | 10~55% |
| 所得税 | 0% | 5~45% |
| キャピタルゲイン税 | 0% | 20.315~39.63% |
| 固定資産税 | 0% | 1.4%程度 |
外国人や非居住者に対する取り扱いの違い
ドバイでは外国人であっても、UAE居住者であっても、相続税の取り扱いに違いはありません。国籍や居住期間に関係なく、ドバイ国内の資産に対して相続税は課されないんです。
ただし、相続手続き自体は現地の法律に従う必要があります。特にイスラム法(シャリーア法)の影響を受ける場合があり、非ムスリムの外国人であっても、遺言書を作成していない場合はシャリーア法に基づいた相続配分が適用されることがあるので注意が必要です。
ちなみに2022年からUAEでは民法が改正され、非ムスリムの外国人は自国の法律に基づいた相続を選択できるようになりました。例えば、日本人のお客様が「日本の民法に沿った相続がしたい」とおっしゃった場合は、現在では日本の民法に基づいた選択が可能になっているんです。
- UAE居住者と非居住者で相続税の取り扱いは同じ(ゼロ)
- 相続手続きは現地法に従う必要あり
- 非ムスリムは自国法での相続を選択可能(2022年民法改正後)
- 遺言書作成が強く推奨される
不動産や金融資産の現地での処理と留意点
ドバイの不動産は相続税がかからないものの、相続手続きには一定の費用と時間がかかります。登記手数料や名義変更費用として、物件価格の約4%程度を見込んでおくと良いでしょう。
金融資産については、銀行口座や証券口座の相続手続きには、死亡証明書や相続人の証明、場合によっては裁判所の命令が必要になることがあります。
実際に遺言書を作成していなかったために相続手続きに1年以上かかったケースがありました。しかし、事前に英語またはアラビア語で遺言書を作成していた場合、3ヶ月程度でスムーズに手続きが完了した、ということもありました。。遺言書をドバイで作成しておくことで手続きが大幅に簡素化されるため、資産をお持ちの方には必ず作成をお勧めしています。
| 資産の種類 | 相続税 | 手続き上の主な費用 | 所要期間の目安 |
|---|---|---|---|
| ドバイの不動産 | 0% | 登記手数料約4% | 3~6ヶ月 |
| 銀行預金 | 0% | 手続き費用数万円程度 | 2~6ヶ月 |
| 証券口座 | 0% | 手続き費用数万円程度 | 2~6ヶ月 |
| 会社株式 | 0% | 弁護士費用など | 3~12ヶ月 |
ドバイで資産を持っても日本では課税対象になる
ドバイでは相続税がかからないのに、日本の居住者の場合は全く状況が変わってきます。日本の相続税法では、居住者の相続については全世界の財産が課税対象になるんです。
つまりドバイに不動産や金融資産を持っていても、日本に住んでいる限りは日本の相続税が課される可能性が高いということ。正直、この点を理解せずにドバイに資産を移転してしまう方が少なくないので、注意が必要です。
税務上の居住者判定が相続税に与える影響
日本の相続税法における居住者判定は、非常に重要なポイントになります。基本的には「住所」が日本にあるかどうかで判断されますが、これは単に住民票の有無だけではありません。
「生活の本拠地がどこにあるか」という実質的な判断が行われるため、家族の居住地、仕事の拠点、滞在日数、不動産の所有状況などが総合的に考慮されます。単身赴任の形でドバイに移住したつもりでも、家族が日本に残っていて年の半分以上を日本で過ごしていたため、居住者として扱われ全世界の資産が課税対象になったというような場合もあります。
被相続人(亡くなった方)が居住者の場合、相続人の居住地に関係なく、全世界の財産が日本の相続税の対象になります。反対に被相続人が非居住者でも、相続人が日本の居住者であれば、やはり全世界の財産が課税対象になるんです。
- 居住者判定は住民票だけでなく生活実態で判断される
- 家族の居住地や滞在日数が重要な判断材料になる
- 被相続人または相続人が居住者なら全世界の財産が課税対象
- 単なる短期滞在では非居住者とは認められない
日本における国外資産の課税範囲と評価方法
日本の居住者がドバイに資産を持っている場合、その資産も相続税の課税対象になります。国外財産も国内財産と同様に、相続税評価額で計算されるんです。
ドバイの不動産の場合は、時価をベースに評価されます。日本の不動産のように路線価や固定資産税評価額といった特別な評価方法はありませんから、実際の市場価格に近い金額で評価されることになるんですよ。金融資産については、死亡日の時価(預金残高、株式時価など)で評価されます。
でも注意したいのが、ドバイの資産を日本円に換算する際の為替レートです。相続開始時点のレートを使用するため、為替変動によっては評価額が大きく変わることがあります。
| 資産の種類 | 評価方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| ドバイの不動産 | 時価評価 | 市場価格ベースのため評価額が高くなりやすい |
| 海外の預金 | 死亡日の残高 | 為替レートの影響を受ける |
| 海外の株式 | 死亡日の時価 | 現地市場の終値を円換算 |
| 海外の会社株式 | 純資産価額等 | 評価に専門的知識が必要 |
ドバイ移住後でも日本で相続税が発生する典型的なケース
ドバイに移住しても、日本の相続税がかかってしまう典型的なケースがいくつかあります。最も多いのが、移住後の期間が短いケースですね。
日本の相続税法には「10年ルール」というものがあって、被相続人と相続人の双方が10年以上日本国外に住所を有していない場合に限り、国外財産が課税対象から外れます。つまり移住して5年や7年程度では、まだ国外財産も課税対象になってしまうんです。
また同一世帯の構成員が日本に残っているケースも要注意です。本人はドバイに住んでいても、配偶者や子供が日本に住んでいる場合、生活の本拠地が日本にあると判断される可能性が高くなります。年に何度も日本に帰国している場合も同様です。
- 移住後10年未満の場合は国外財産も課税対象
- 家族が日本に残っている場合は居住者と判断される可能性
- 日本への頻繁な帰国は居住者判定に影響
- 日本国内に住居や事業を保持している場合も要注意
- 住民票を抜いても実態が伴わなければ居住者扱い
二重課税回避の仕組みと条約の有無に関する注意
日本とUAEの間には、残念ながら相続税に関する租税条約は締結されていません。そのため理論上は、ドバイと日本の両方で課税される可能性があるんです。
ただしドバイでは相続税がゼロなので、実質的に二重課税の問題は発生しません。でも注意したいのは、ドバイの不動産を売却した際の利益に課されるキャピタルゲイン税です。ドバイでは個人のキャピタルゲイン税はゼロですが、日本では譲渡所得として課税されるんです。
所得税については日本とUAEの間に租税条約がありますから、外国税額控除の制度を利用して二重課税を回避できる場合があります。ちなみに外国税額控除を適用するには、現地で課税された証明書類が必要になりますから、しっかり保管しておくことが大切ですよ。
| 税目 | 租税条約の有無 | 二重課税回避の方法 |
|---|---|---|
| 相続税 | なし | ドバイが非課税のため実質的に問題なし |
| 所得税 | あり | 外国税額控除が適用可能 |
| キャピタルゲイン税 | あり | ドバイ非課税だが日本では課税対象 |
資産別の税務上の扱いの違いについて
では具体的なケースごとに、どのような税務上の影響があるのか見ていきましょう。
まずドバイの不動産を相続するケースです。日本の居住者がドバイの不動産を相続する場合、その不動産の時価が相続税の課税対象になります。例えば時価5億円の不動産を相続した場合、日本の相続税率は最高55%ですから、他の財産と合わせて相続税が計算されることになるんです。
さらにその不動産を売却する際には、譲渡所得税が課される点にも注意が必要です。所有期間5年以内の短期譲渡なら39.63%、5年超の長期譲渡でも20.315%の税率がかかります。ドバイではキャピタルゲイン税がゼロなので、つい忘れがちですが日本では課税されるんです。
預金や証券口座の場合は、相続時の残高や時価が課税対象になります。ドバイの銀行に1億円の預金がある場合、その1億円が相続財産として評価されます。為替レートの変動によって円換算額が変わるため、相続開始時点のレートが重要になってきますね。
会社株式については、もっと複雑になります。ドバイで法人を設立している場合、その株式の評価は会社の純資産や収益性を基に計算されます。未上場会社の株式評価は専門的な知識が必要なため、税理士や公認会計士に相談することを強くお勧めします。
| ケース | 相続時の課税 | 売却時の課税 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| ドバイの不動産(時価5億円) | 日本の相続税対象(居住者の場合) | 譲渡所得税20.315~39.63% | 登記手数料約4%も必要 |
| ドバイの預金(1億円) | 日本の相続税対象(居住者の場合) | 利息は所得税対象 | 為替レートの影響あり |
| ドバイの会社株式 | 純資産価額等で評価し相続税対象 | 譲渡所得税対象 | 評価に専門知識が必要 |
| 日本の不動産 | 路線価等で評価し相続税対象 | 譲渡所得税20.315~39.63% | 居住用財産の特例適用の可能性 |
- 不動産は相続時と売却時の両方で税金が発生する可能性
- 預金は為替レートの変動に注意が必要
- 会社株式の評価は専門家への相談が必須
- 10年ルールを満たせば国外財産は非課税になる
- 資産の種類ごとに適切な対策が異なる
まとめ
ドバイでは相続税がゼロという大きなメリットがある一方で、日本の居住者の場合は全世界の財産が課税対象になるという点を解説してきました。移住を検討する際は、10年ルールや居住者判定の基準をしっかり理解しておくことが重要です。
- ドバイ(UAE)では相続税・贈与税・所得税が一切課されない税制優遇がある
- 日本の居住者の場合はドバイの資産も日本の相続税の課税対象になる
- 被相続人と相続人の双方が10年以上国外居住すれば国外財産は非課税
- 居住者判定は住民票だけでなく生活実態で総合的に判断される
- ドバイの不動産売却時は日本で譲渡所得税が課される可能性がある
- 遺言書をドバイで作成しておくと相続手続きがスムーズになる
- 資産の種類ごとに評価方法や税務上の取り扱いが異なる
ドバイへの移住や資産移転を検討されている方は、必ず事前に日本とドバイの両方の税制に精通した税理士や弁護士に相談してください。個別の状況によって最適な対策は異なりますから、専門家のアドバイスを受けながら、長期的な視点で相続計画を立てることをお勧めします。
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